千川通りの念速寺脇から「小石川植物園」方面に入ると、女将さん手作りの暖簾がおしゃれな、「白山浴場」がある。この場所での営業は明治時代からであり、今は、戸波恵之助さんが営業している。「第二次世界大戦の時、アメリカ軍の空爆により、当浴場を含む地域一帯が焼失した。戦後、教員をしていた父親が、職を辞し、浴場を再建して営業を再開した。昭和55年、父と共に建て替え、教員を辞して家業を継いだ」そうだ。
浴室のペイズレ—柄は、前女将さんの手による図案で、瀬戸の窯に特注して焼かせたものだそうだ。
モットーとするのは、「お客様に心身共にリラックスしてもうこと」だそうで、「時代の流れとともに、地域も人も変化して行くが、粛々と家業を続けていきたい」と述べている。
ここ旧戸崎町の坂といえば、「小石川植物園」の脇を上る「御殿坂」。徳川綱吉の屋敷である「白山御殿」があったのが名前の由来で、続いている「蓮花寺坂」を下ると「白山下」で、本当に一山越えた気分になる。「白山浴場」ついでだから「白山神社」に参拝しよう。